師の父は「他人の飯を食え」ということを良く言ったといいます。
「他人の飯を食え」とは、要は弟子入りして働きなさいという教えです。
いわゆる丁稚奉公です。
師はそれにより、カバン一つで上京し、床屋の師匠に弟子入りしたとのこと。
なぜ「他人の飯を食え」となるか。
他人の飯を食わせてもらうことで、タダメシを食ってはいけないと一生懸命働きます。
いつまでも親元に居ては、そのありがたみが分からずタダメシを食う可能性が高い。
弟子入りした師匠である他人から飯を食わせてもらい、飯を食わせてもらうありがたみを知る。
それプラス下働きして仕事を覚えさせてもらい、いずれは自分で飯が食えるようになる。
更に共同生活により集団行動を学び、生活の中で自然に人を気遣うことを覚える。
師の父が言う「他人の飯を食え」ということは、そういった意味があり、社会に出るにはもってこいのとても理にかなったシステムなのだとわかります。
それもそのはずで師の父も藁葺屋根の屋根拭き職人です。
自分の経験則からの言葉だから理にかなっており、説得力もある。
そういった師の父の教えがあり、それを素直に聞いた師が居て、
その「他人の飯を食え」を実践している今の私がある。
今の私は、師の父のおかげもあるのだなと感じた今日でした。
今日もありがとうございました。